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ぷかぷーとにんじんさん

 この地球からずーっと離れた宇宙のどこかに、争いもなく平和で緑豊かな惑星がありました。
人間はいませんが、地球によく似た動物や植物がみんなで仲良く暮らしています。
そこに住む小さなかえるの男の子は、好奇心旺盛で楽しいことや興奮することが大好き!
でも、この平和な星では少し刺激が足りません。
そんなかえるの男の子は、ある時冒険を求めて惑星を飛び出しました。
これはそんな冒険が大好きなかえるのぷかぷーが話してくれたお話です。

 ぷかぷーにはとても仲良しのお友だちがいます。名前はにんじんさんです。
ぷかぷーの星でも、にんじんは喋ったり動いたりせず、土の中でじっとしているらしいのですが
どういうわけかにんじんさんは、他のにんじんより賢く、歩いたり喋ったり
旅行に出かけたり、バイトをしたり、ご飯を作ったり、なんかもできちゃうようです。

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 そんなにんじんさんには、ちょっと困った癖があります。
にんじんさんにはきちんと自分のお家があるのですが、
疲れたり眠たくなったりしてしまうと、わざわざにんじん畑で居眠りしてしまうのです。
本来にんじんは、他のにんじんと一緒に土の中で眠って過ごすことが多いので
にんじんさんも根菜だけに根底は同じなのかもしれません。

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 土の中に潜って寝てしまうため、他のにんじんとまるで見分けが付きません。
そのため、初めのうちはぷかぷーも大慌てで捜索願いを出したりしましたが
長い付き合いなので、もうそんなことも慣れっこです。
最近はにんじん畑のにんじんを引っこ抜いて、にんじんさんを探すようになりました。

 今日もまた、遊ぶ約束をしていたにんじんさんが居眠りをしてしまったようで
ぷかぷーはにんじんさんを呼びに、にんじん畑までやってきました。
今年は豊作のようで、にんじんの数が多く、いつもより探すのが大変です。

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見渡す限り一面のにんじん畑、この中から探すのは少々骨が折れそうですが
ぷかぷーはいつもどおり一個一個にんじんを引っこ抜くことにしました。
にんじんを引っこ抜く作業はなかなかの重労働ですが、ぷかぷーは遊びたい一心でがんばります。

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 最後の一本になりました。きっとこれがにんじんさんでしょう。
ぷかぷーもそう思うと俄然やる気が湧いてきました。
力を込め一生懸命にんじんを引き抜きます。

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 もう少しでにんじんが出てきそう!という時でした。
引っこ抜け空高く舞い上がったにんじんはカラスくんが掴んで持っていってしまいました。
きっとお家に持って帰って食べるつもりなのでしょう。
ぷかぷーはそう思うと居ても立ってもいられません。

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 とはいえ相手は空の上、ぷかぷーはお空を飛べません。
ぷかぷーは必死にカラスに向かって訴えかけますが、

カラスはどんどん遠くへ行ってしまいます。
カァカァというカラスの鳴き声も、どんどん小さくなっていきます。

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 にんじんさんが食べられてしまうことを思うと、ぷかぷーはとても悲しくなりました。
独り独りにんじん畑で涙を浮かべていると、

「ぷかぷー」と名前を呼ぶ優しい声が聞こえてきました。

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 それはにんじんさんでした。
にんじんさんは一足先にぷかぷーのお家へ向かっていたようです。
そうとは知らず、ぷかぷーはにんじんさんを探しににんじん畑へと向かってしまったので
入れ違いになってしまったのでした。

「どうして泣いてるの?」

と不思議そうに聞くにんじんさんに、ぷかぷーは恥ずかしくなり何も答えられませんでした。

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 こうしてぷかぷーはにんじんさんと再開することができ
改めて仲良く二人で遊びに行きました。
にんじんさんの居眠り癖には困ったものですが、ぷかぷーはそんなにんじんさんのことが大好きです。
なかなか会えない分、会えたときの嬉しさもいっぱいなのでした。

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